シリーズ「高配当株ランキングTOP10|1日1銘柄」第5回 / 全15回
独自に分析した日本株の高配当ランキングTOP10を、1日1銘柄ずつ取り上げていく連載の第5回です。今回は5位のアルゴグラフィックス(7595)。利回り4.96%はTOP10で最高。ただし前期の数字には一過性の要因が入っています。
ランキング全体はこちらの記事にまとめています。
このランキングは、配当利回り3%%以上・時価総額100億円以上などで絞り込んだ120銘柄を、企業の実力を測る加点9項目(27点満点)と、2008年からの全期間で配当が途切れた事実を数える減点8項目で採点したものです。データはIR BANKと株探から取得しています。
動画でも解説しています
この記事と同じ内容を、グラフを見ながら12分ほどで説明しています。
本業の売上・利益率・成長率はいずれも優秀で、そこは疑いようがありません。ただし前期のEPSと配当には資産売却と株主還元の集中が乗っています。利回りの高さだけを見て「この水準が続く」と読むのは危険です。
アルゴグラフィックス(7595)の基本データ
| 市場・業種 | 東証プライム/情報・通信業 |
|---|---|
| 株価 | 1,311円 |
| 時価総額 | 約1,049億円 |
| 予想配当利回り | 4.96% |
| 予想PER/PBR | 12.5倍/1.9倍 |
| 決算期 | 3月31日 |
| 直近の実績 | 2026年 売上715億円・営業利益107億円・EPS263.53円 |
| 会社予想 | 2027年 売上726億円・営業利益103億円・EPS104.8円 |
| 本社 | 東京都中央区日本橋箱崎町5番14号 |
| 従業員数 | 単体 586名 連結 1,198名 |
株価・PER・PBR・予想利回りは2026年9月4日時点(株探)。業績はIR BANK。
どんな会社か
CADやPLM(製品ライフサイクル管理)といった設計支援システムの専門商社兼システムインテグレーターです。ソフトを売るだけでなく、顧客の設計現場に合わせた構築・運用まで請け負います。
2026年3月期のセグメント別売上はPLM事業695億円(+2.9%)、EDA事業20.4億円(+1.4%)。実質的にPLM事業の1本足です。主要な顧客としてホンダグループとキオクシアグループが挙がっています。
連結従業員1,198名、平均年収806万円。本社は東京都中央区。
| セグメント別売上高 | 2025/03 | 2026/03 |
|---|---|---|
| PLM事業 | 675億 | 695億 |
| EDA事業 | 20.1億 | 20.4億 |
9項目の採点
加点は◎3点・○2点・△1点・×0点の9項目、27点満点です。アルゴグラフィックスの加点は22点でした。
| 項目 | 判定 | 実際の数字 |
|---|---|---|
| 1. 売上高の伸び | ◎ | 全期間 年+5.1% / 直近4年 年+10.3% |
| 2. 1株利益の伸び | ◎ | 全期間 年+23.6% / 直近4年 年+60.7% |
| 3. 営業利益率 | ◎ | 15.0% |
| 4. 自己資本比率 | ○ | 60.3% |
| 5. 営業キャッシュフロー | △ | 19年間で赤字1回 |
| 6. 現金の量と伸び | ◎ | 全期間で6.0倍 / 総資産の39.8% |
| 7. 配当の増え方 | ○ | 連続増配5期 |
| 8. 配当性向 | ◎ | 30.4% |
| 9. 株価の推移 | ○ | 5年+62% / 1年+8.8% / 12か月線-5.0%(横ばい) |
| 加点合計 | 22 | 27点満点 |
19年分のグラフで見る
上から業績(売上高・営業利益・純利益)、配当(1株配当・配当性向)、キャッシュフロー(営業CF・フリーCF・現金)です。横軸は決算年度で、2008年までさかのぼっています。

評価された点
- 売上高・EPS・営業利益率がすべて◎。売上は19年平均で年5.1%、営業利益率は15.0%。10年前と比べて売上2.1倍です。
- 自己資本比率60.3%、現金322億円。総資産の39.8%を現金で持っています。
- 19年間で純利益の赤字はゼロ、減配もゼロです。
減点と弱点
減点は営業CFが赤字-1点/タコ足配当-1点(合計2点)でした。
- 営業キャッシュフローが赤字:-1点。19年のうち1回マイナスの年があります。
- 利益を超える配当:-1点。過去に1回、その年の利益で配当をまかなえなかった年があります。
直近の四半期
2027/03期の第1四半期の進み具合です。
| 売上高(第1四半期累計) | 169億円(前年同期比 +0.6%) 通期予想726億円 に対して 23.3% |
|---|---|
| 営業利益(第1四半期累計) | 23億円(前年同期比 -5.7%) 通期予想103億円 に対して 22.3% |
気をつけたい点
- ここが一番大事な点です。2026年3月期は経常利益107億円に対して純利益192億円。経常を85億円も上回っています。同じ期の投資キャッシュフローは+129億円で、資産の売却が利益を押し上げた期でした。EPSが87.4円から263.5円へ3倍になったのは、本業が3倍になったからではありません。
- 同じ期に186億円の自社株買いを実施し、総還元性向は97%。配当も27.5円から80円へ引き上げられましたが、これも同じ流れのなかの数字です。
- 会社の2027年3月期予想はEPS104.8円で、前期の263.5円から大幅減。予想配当は65円で、前期の80円から減る想定です。表示されている利回り4.96%はこの65円で計算した数字であって、80円が続く前提ではありません(80円ベースなら6.10%)。
配当の記録(17年分)
| 年度 | 1株配当 | 前年比 | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2010年 | 6.25円 | ― | 66.9% |
| 2011年 | 6.25円 | +0.0% | 72.2% |
| 2012年 | 6.25円 | +0.0% | 118.8% |
| 2013年 | 6.25円 | +0.0% | 39.2% |
| 2014年 | 7.50円 | +20.0% | 41.8% |
| 2015年 | 7.50円 | +0.0% | 32.1% |
| 2016年 | 7.50円 | +0.0% | 38.2% |
| 2017年 | 8.25円 | +10.0% | 33.4% |
| 2018年 | 9.13円 | +10.7% | 30.2% |
| 2019年 | 11.25円 | +23.2% | 27.1% |
| 2020年 | 15.00円 | +33.3% | 30.4% |
| 2021年 | 15.00円 | +0.0% | 32.3% |
| 2022年 | 15.75円 | +5.0% | 29.8% |
| 2023年 | 18.25円 | +15.9% | 28.7% |
| 2024年 | 22.50円 | +23.3% | 29.4% |
| 2025年 | 27.50円 | +22.2% | 31.5% |
| 2026年 | 80.00円 | +190.9% | 30.4% |
この連載の記事一覧
上位15銘柄を1日1銘柄ずつ取り上げています。公開前の回はタイトルだけ先に載せています。
- 1位 村上開明堂(7292)|利回り3.50%・総合23点(09/05公開)
- 2位 あいホールディングス(3076)|利回り4.66%・総合21点(09/06公開)
- 3位 アクシーズ(1381)|利回り3.34%・総合21点(09/07公開)
- 4位 ミロク情報サービス(9928)|利回り3.16%・総合21点(09/08公開)
- 5位 アルゴグラフィックス(7595)|利回り4.96%・総合20点 ← いまここ
- 6位 立川ブラインド工業(7989)|利回り4.53%・総合20点(09/10公開予定)
- 7位 ライト工業(1926)|利回り3.84%・総合20点(09/11公開予定)
- 8位 ステップ(9795)|利回り3.83%・総合20点(09/12公開予定)
- 9位 ビーアンドピー(7804)|利回り3.65%・総合20点(09/13公開予定)
- 10位 オーテック(1736)|利回り4.10%・総合19点(09/14公開予定)
- 11位 フォーカスシステムズ(4662)|利回り4.14%・総合19点(09/15公開予定)
- 12位 サカイ引越センター(9039)|利回り3.94%・総合19点(09/16公開予定)
- 13位 PI(4290)|利回り4.04%・総合19点(09/17公開予定)
- 14位 ホクリヨウ(1384)|利回り3.62%・総合19点(09/18公開予定)
- 15位 サンドラッグ(9989)|利回り3.54%・総合19点(09/19公開予定)
本記事はIR BANK・株探で公開されているデータをもとに、独自の基準で機械的に採点した結果をまとめたものです。特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、将来の株価や配当を保証するものでもありません。数値は2026年9月4日時点のもので、その後の決算発表や配当予想の修正は反映されていません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。


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