高配当株の権利落ち後、株価が下がる業種・下がりにくい業種は?27業種を検証(証券−6.0%、情報・通信−1.6%)

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分析

高配当株は権利落ち日に配当の分だけ株価が下がり、その後もしばらく弱い――。前回の記事では、東証プライムの高配当株の権利落ちをまとめて調べ、この傾向を確かめました。今回はその続編として、同じデータを東証33業種に分け、「権利落ちの後に株価が下がりやすい業種・下がりにくい業種」と「下がった後に戻る業種」を調べました。

対象は直近5年(2021年9月〜2026年8月)に年間配当利回り3.5%以上で権利落ちした3,939件。このうち件数が30件以上ある27業種を比べています。結論から書きます。

結論(高配当株 3,939件・27業種)
  • 業種による差は大きい。1か月後の株価騰落率の平均は、証券、商品先物取引業 -6.02%・海運業 -5.93%・鉄鋼 -5.56%が大きく下げた一方、情報・通信業 -1.60%・精密機器 -1.30%は下げが小さめでした(高配当株全体は-3.04%)。
  • 権利落ち日の株価騰落率は業種による差が1.75ポイントほど。差が開くのは権利落ち日より後の1か月で、1か月後の株価騰落率では最大と最小の差が4.72ポイントに広がります。
  • 大きく下げた業種でも、6か月後の株価騰落率の平均は27業種すべてでプラスでした。海運業は+13.49%、鉄鋼は+10.20%、証券、商品先物取引業は+8.18%です(直近5年は株価が全体に上がった時期です)。
  • ただし証券、商品先物取引業と鉄鋼は、配当込みで市場全体と比べた市場比も5期すべてマイナス。反対に卸売業・建設業は5期すべてプラスでした。
  • 業種の並びは時期によって入れ替わります。5年以前(2016年9月〜2021年8月)は、海運業の1か月後の株価騰落率の平均が+1.88%(直近5年は-5.93%)、電気・ガス業は-6.44%(同-2.67%)でした。

調べ方と言葉の定義

この記事のパーセントは、すべて権利落ち直前の株価(権利付き最終日の終値)を基準にしています。

対象 東証プライム上場1,556社(2026年9月時点の上場銘柄)
期間 権利落ち日が2021年9月〜2026年8月(直近5年)。比較用に2016年9月〜2021年8月(5年以前)
高配当株 権利落ち日までの約1年(350日)に実際に払われた配当の合計 ÷ 権利落ち直前の株価 が3.5%以上の回。直近5年で3,939件・862銘柄
業種 東証33業種(今の区分)。高配当の権利落ちが30件以上の27業種を本表に、15〜29件の4業種を参考表に載せました
権利落ち直前の株価 権利付き最終日(権利落ち日の前営業日)の終値
権利落ち日の株価騰落率 権利落ち日の終値 ÷ 権利落ち直前の株価 − 1
1か月の株価最大下落率 権利落ち直前から20営業日のあいだの安値の最小 ÷ 権利落ち直前の株価 − 1(持っている途中でどこまで下がったか)
1か月後の株価騰落率 20営業日後の終値 ÷ 権利落ち直前の株価 − 1
3か月後/6か月後の株価騰落率 60営業日後/120営業日後の終値 ÷ 権利落ち直前の株価 − 1
1か月後(20営業日後)に回復した割合 20営業日後の終値が権利落ち直前の株価以上だった回の割合
株価の全戻りまでの日数 権利落ち日を1営業日目として、終値が権利落ち直前の株価以上に戻った最初の日まで(配当は足さない。最長250営業日)
市場比 配当込みの1か月の損益 − 同じ期間のプライム全銘柄の配当込み損益の中央値
3月・9月の権利落ちの割合 その業種の件数のうち、権利落ち日が3月・9月だった回の割合

「1か月後(20営業日後)に回復した割合」と「株価の全戻り」は別物です。前者は20営業日目の終値で権利落ち直前の株価に戻っていたかどうか、後者は途中で一度でも戻った日があるかどうかを見ています。たとえば非鉄金属は、20営業日以内に株価が全戻りした割合が57.1%なのに、1か月後(20営業日後)に回復した割合は28.6%でした。いったん戻ってから、また下がる回が多いということです。

年間配当利回りの計算を見直しました。前回の記事のあと、権利落ち日までの「約1年」を365日から350日に改めました。365日だと、権利落ち日が年によって数日ずれたときに配当を3回分数えてしまう年があったためです。この見直しで、高配当株(年間配当利回り3.5%以上)の件数は前回の約4,950件から3,939件に減りました。高配当株全体の傾向(権利落ちの後の1か月は下げやすく、配当込みで市場全体と比べるとほぼ同じ)は変わっていません。

株価は yfinance の終値(株式分割は調整済み、配当は調整なし)、配当の権利落ち日も yfinance のデータです。

まず高配当株全体の値動き

項目 高配当株 全体 2021/9〜2026/8
件数(件) 2021/9〜2026/8 3,939
銘柄数(社) 862
権利落ち日の株価騰落率 平均(%) -2.25
1か月の株価最大下落率 平均(%) -8.44
1か月の株価最大下落率 中央値(%) -6.88
1か月後の株価騰落率 平均(%) -3.04
1か月後の株価騰落率 中央値(%) -3.19
1か月後(20営業日後)に回復した割合(%) 28.1
株価の全戻りまでの日数 中央値(営業日) 19
3か月後の株価騰落率 平均(%) +1.77
6か月後の株価騰落率 平均(%) +10.49
市場比 中央値(%) +0.33

高配当株全体では、権利落ち日の株価騰落率は平均-2.25%、1か月の株価最大下落率は平均-8.44%(中央値-6.88%)、1か月後の株価騰落率は平均-3.04%(中央値-3.19%)でした。1か月後(20営業日後)に回復した割合は28.1%と、4回に1回ほどです。それでも3か月後の株価騰落率は平均+1.77%、6か月後は+10.49%で、配当込みの市場比(中央値)は+0.33%と市場全体とほぼ同じでした。この全体の数字を、業種ごとに分けて見ていきます。

業種別:権利落ち前後の株価の動き

業種別の権利落ち前後20営業日の株価(中央値)
権利付き最終日を0とした株価の変化(中央値)。赤系=1か月後の株価騰落率の平均が低い3業種、青系=高い3業種、紺=高配当株全体

権利落ち日(グラフの1営業日目)の株価騰落率の平均は、業種によって-1.61%〜-3.36%の差があります。ただ、差がもっと大きく開くのはその後です。証券、商品先物取引業・海運業・鉄鋼は権利落ち日の後も下げ続け、1か月後の株価騰落率の中央値は-5.58%・-6.35%・-5.72%。一方、精密機器・情報・通信業・その他金融業は権利落ち日の段差の後はほぼ横ばいで、中央値は-2.23%・-2.53%・-1.75%にとどまりました。海運業は権利付き最終日の前に株価が上がっていて、その分を権利落ちの後に吐き出す形になっています。

業種ランキング:権利落ち後の株価の下げ

業種別の1か月後の株価騰落率と1か月の株価最大下落率(平均と中央値)
棒が平均、黒丸が中央値。1か月後の株価騰落率の平均が低い順。カッコ内は件数(2021/9〜2026/8)
順位(位) 業種 件数(件) 2021/9〜2026/8 銘柄数(社) 3月・9月の権利落ちの割合(%) 権利落ち日の株価騰落率 平均(%) 1か月の株価最大下落率 平均(%) 1か月の株価最大下落率 中央値(%) 1か月後の株価騰落率 平均(%) 1か月後の株価騰落率 中央値(%) 1か月後(20営業日後)に回復した割合(%)
1 証券、商品先物取引業 132 19 98 -3.36 -11.05 -9.15 -6.02 -5.58 9.8
2 海運業 38 5 100 -3.29 -12.52 -10.88 -5.93 -6.35 7.9
3 鉄鋼 135 19 96 -2.31 -10.47 -8.97 -5.56 -5.72 19.3
4 非鉄金属 56 14 89 -2.16 -10.37 -7.86 -4.22 -4.43 28.6
5 医薬品 41 13 98 -2.42 -8.35 -6.26 -4.06 -3.30 19.5
6 輸送用機器 165 26 97 -2.26 -9.84 -7.61 -3.86 -4.56 24.8
7 化学 333 67 85 -2.15 -8.35 -6.71 -3.51 -3.18 25.2
8 保険業 32 7 91 -2.18 -7.47 -5.40 -3.25 -3.04 37.5
9 電気機器 185 56 78 -2.19 -9.41 -7.28 -3.17 -2.84 34.6
10 ゴム製品 57 9 68 -2.11 -8.12 -6.82 -3.12 -2.56 29.8
11 金属製品 124 22 83 -2.17 -8.20 -6.42 -3.10 -3.28 29.8
12 銀行業 273 56 97 -2.04 -7.82 -5.89 -3.03 -2.84 27.8
13 ガラス・土石製品 74 15 64 -1.98 -7.96 -6.93 -3.01 -2.99 29.7
14 卸売業 506 90 85 -2.23 -8.80 -6.99 -2.90 -3.39 27.9
15 建設業 313 63 86 -2.38 -8.47 -7.42 -2.67 -3.28 29.7
16 電気・ガス業 45 12 93 -1.61 -7.42 -7.10 -2.67 -2.77 26.7
17 サービス業 297 74 54 -2.50 -7.45 -6.12 -2.55 -2.80 31.3
18 その他製品 89 19 69 -2.02 -7.19 -6.82 -2.55 -2.57 23.6
19 小売業 102 29 60 -2.46 -7.35 -6.86 -2.52 -3.12 26.5
20 不動産業 155 30 69 -2.49 -7.55 -6.92 -2.45 -2.89 26.5
21 繊維製品 32 9 56 -2.60 -8.47 -6.77 -2.43 -2.76 31.2
22 機械 294 71 85 -1.94 -8.72 -6.75 -2.42 -2.31 34.4
23 倉庫・運輸関連業 30 6 70 -2.30 -7.66 -6.50 -2.17 -1.30 40.0
24 食料品 63 19 62 -2.17 -6.88 -6.37 -2.13 -2.37 28.6
25 その他金融業 79 17 90 -2.17 -7.63 -6.22 -2.05 -1.75 32.9
26 情報・通信業 167 60 69 -2.13 -6.67 -5.56 -1.60 -2.53 29.3
27 精密機器 34 9 56 -1.62 -8.03 -6.17 -1.30 -2.23 41.2

1位=1か月後の株価騰落率の平均が最も低い(下げが大きい)業種。表はスマートフォンでは横にスクロールできます。

下げが大きいのは証券、商品先物取引業(-6.02%)・海運業(-5.93%)・鉄鋼(-5.56%)の3業種で、非鉄金属(-4.22%)・医薬品(-4.06%)が続きます。証券、商品先物取引業は1か月後(20営業日後)に回復した割合が9.8%、海運業は7.9%と、10回に1回も戻っていません。海運業は1か月の株価最大下落率の平均も-12.52%と27業種で最も大きくなりました。

下げが小さいのは精密機器(-1.30%)・情報・通信業(-1.60%)、その他金融業(-2.05%)・食料品(-2.13%)・倉庫・運輸関連業(-2.17%)です。精密機器は件数が34件と少ないため、件数が167件ある情報・通信業のほうが数字としては安定しています。情報・通信業は1か月の株価最大下落率の平均も-6.67%と27業種で最も小さく、途中の下げも浅めでした。

表の「3月・9月の権利落ちの割合」も見てください。下げが大きい上位3業種は96〜100%と、ほぼすべてが3月・9月の権利落ちです。下げが小さい側には精密機器(56%)・食料品(62%)・情報・通信業(69%)など、ほかの月の権利落ちも多い業種が入っています。ただし、その他金融業(90%)のように3月・9月が中心でも下げが小さめの業種もあり、権利落ちの月だけで決まるわけではありません。

業種ランキング:戻りの速さと、その後の株価

業種別の株価の全戻りまでの日数と3か月後・6か月後の株価騰落率
左:株価の全戻りまでの日数(中央値)、右:3か月後・6か月後の株価騰落率(平均)。並びは1か月後の株価騰落率の平均が低い順
順位(位) 業種 株価の全戻りまでの日数 中央値(営業日) 20営業日以内に株価が全戻りした割合(%) 60営業日以内に株価が全戻りした割合(%) 3か月後の株価騰落率 平均(%) 6か月後の株価騰落率 平均(%) 市場比 平均(%) 市場比 中央値(%)
1 証券、商品先物取引業 43 37.9 56.1 -2.24 +8.18 -0.99 -0.93
2 海運業 23.5 42.1 76.3 -1.80 +13.49 -0.17 +0.43
3 鉄鋼 27 43.7 60.0 -2.32 +10.20 -1.10 -1.36
4 非鉄金属 12 57.1 76.8 -2.18 +12.24 -0.09 -0.13
5 医薬品 39 36.6 61.0 +0.49 +7.93 +0.24 +0.25
6 輸送用機器 24 45.5 73.3 +1.19 +11.21 +0.27 +0.16
7 化学 23 47.7 72.4 +1.41 +9.09 +0.01 -0.15
8 保険業 12 53.1 78.1 +5.41 +15.65 +0.03 +0.92
9 電気機器 16 55.7 74.6 +3.81 +13.42 +0.11 -0.26
10 ゴム製品 11 56.1 77.2 +3.64 +12.06 +0.03 +0.23
11 金属製品 19 53.2 75.0 +1.19 +8.13 +0.33 +0.25
12 銀行業 14 57.1 73.6 +4.31 +17.94 +0.57 +0.31
13 ガラス・土石製品 24.5 45.9 74.3 +1.07 +10.15 -0.14 -0.60
14 卸売業 18 51.8 76.9 +2.83 +12.06 +0.91 +0.69
15 建設業 22 49.2 74.8 +2.27 +11.27 +1.44 +1.17
16 電気・ガス業 19 53.3 75.6 +1.53 +7.54 +0.97 +0.79
17 サービス業 20 50.5 73.4 -0.03 +4.35 +0.24 +0.38
18 その他製品 19 50.6 75.3 +2.27 +9.08 +0.03 -0.07
19 小売業 13.5 55.9 76.5 +2.11 +6.47 +0.98 +0.17
20 不動産業 15 54.8 76.8 +0.56 +5.16 +1.08 +0.40
21 繊維製品 24 43.8 68.8 +0.86 +9.25 +0.96 +1.99
22 機械 13.5 56.5 79.3 +2.98 +11.89 +1.16 +0.68
23 倉庫・運輸関連業 14 63.3 83.3 +3.06 +13.02 +0.98 +1.37
24 食料品 17 54.0 74.6 +1.45 +8.34 +0.31 +0.18
25 その他金融業 16 54.4 81.0 +0.45 +7.97 +1.28 +0.76
26 情報・通信業 12 58.7 81.4 +1.53 +7.25 +1.20 +0.62
27 精密機器 5 76.5 88.2 +6.02 +17.18 +0.88 -0.35

順位は前の表と同じ(1か月後の株価騰落率の平均が低い順)。株価の全戻りまでの日数は最長250営業日まで追っています。

株価の全戻りまでの日数(中央値)が長いのは証券、商品先物取引業の43営業日、医薬品の39営業日、鉄鋼の27営業日。短いのは精密機器の5営業日、ゴム製品の11営業日、非鉄金属・保険業・情報・通信業の12営業日でした。

3か月後の株価騰落率の平均がマイナスだったのは、鉄鋼(-2.32%)・証券、商品先物取引業(-2.24%)・非鉄金属(-2.18%)・海運業(-1.80%)・サービス業(-0.03%)の5業種。権利落ち後の1か月で大きく下げた業種は、3か月たってもまだ権利落ち直前の株価を下回っていました。

ところが6か月後になると、27業種すべてで株価騰落率の平均がプラスです。海運業+13.49%、非鉄金属+12.24%、鉄鋼+10.20%と、1か月後に大きく下げた業種も2桁前後まで戻っています。最も高いのは銀行業の+17.94%、次いで精密機器の+17.18%。低いのはサービス業(+4.35%)・不動産業(+5.16%)・小売業(+6.47%)でした。直近5年は株価が全体に上がった時期なので、6か月後の数字には相場全体の上昇が大きく含まれている点に注意してください。

配当込みで市場全体と比べた市場比(中央値)がマイナスだったのは、鉄鋼(-1.36%)・証券、商品先物取引業(-0.93%)・ガラス・土石製品(-0.60%)・精密機器(-0.35%)・電気機器(-0.26%)・化学(-0.15%)・非鉄金属(-0.13%)・その他製品(-0.07%)の8業種。精密機器は1か月後の株価騰落率では下げが最も小さい業種ですが、同じ時期の市場全体と比べると強かったわけではありません。市場比の中央値が高いのは繊維製品(+1.99%)・倉庫・運輸関連業(+1.37%)・建設業(+1.17%)でした。

権利落ち日から5営業日後に買う場合と比べると

権利落ちの後に下げやすいなら、「権利付き最終日に買って配当をもらう」よりも「権利落ちの後に買う」ほうがよかったのか。権利落ち日から5営業日後の終値で買って60営業日後に売る場合と、権利落ち直前に買って配当を受け取り、60営業日後に売る場合(持ち続ける)を比べました。プラスなら5営業日後に買う方が上回ったことを示します。

業種別:5営業日後に買う − 持ち続ける(配当込み)
平均(ポイント)。カッコ内は5営業日後に買う方が上回った割合
順位(位) 業種 件数(件) 2021/9〜2026/8 5営業日後に買う − 持ち続ける 平均(ポイント) 5営業日後に買う方が上回った割合(%) 3月・9月の権利落ちの割合(%)
1 海運業 38 +3.15 65.8 100
2 証券、商品先物取引業 132 +2.89 66.7 98
3 輸送用機器 165 +2.22 64.2 97
4 保険業 32 +1.76 62.5 91
5 鉄鋼 135 +1.71 60.0 96
6 卸売業 506 +1.70 63.3 85
7 電気・ガス業 45 +1.68 71.1 93
8 銀行業 273 +1.67 60.1 97
9 非鉄金属 56 +1.60 55.4 89
10 医薬品 41 +1.59 65.9 98
11 電気機器 185 +1.51 54.6 78
12 倉庫・運輸関連業 30 +1.42 53.3 70
13 建設業 313 +1.33 58.2 86
14 化学 333 +1.33 61.6 85
15 その他製品 89 +1.15 55.1 69
16 サービス業 297 +1.06 57.1 54
17 機械 294 +0.96 55.1 85
18 ガラス・土石製品 74 +0.88 59.5 64
19 金属製品 124 +0.73 51.6 83
20 その他金融業 79 +0.73 49.4 90
21 食料品 63 +0.68 53.2 62
22 小売業 102 +0.48 52.5 60
23 ゴム製品 57 +0.36 54.4 68
24 不動産業 155 +0.35 45.8 69
25 精密機器 34 +0.28 50.0 56
26 繊維製品 32 -0.03 53.1 56
27 情報・通信業 167 -0.06 48.8 69

高配当株全体では、5営業日後に買う方が平均+1.28ポイント上回り、上回った割合は57.8%でした。業種別では海運業(+3.15ポイント)・証券、商品先物取引業(+2.89ポイント)・輸送用機器(+2.22ポイント)が大きく、権利落ち後の1か月の下げが大きい業種ほど差が大きい傾向です。一方、情報・通信業(-0.06ポイント)・繊維製品(-0.03ポイント)はほぼ差がなく、不動産業(45.8%)・情報・通信業(48.8%)・その他金融業(49.4%)は上回った割合が半分を下回りました。

平均では上回っていても、上回った割合は多くの業種で5〜6割台です。多くの業種で10回に4回前後は持ち続けた方がよかったことになり、確実な方法とはいえません。税金・手数料も含んでいません。

期別に見ると:毎年同じ業種が下げるのか

9月〜翌8月を1期として、直近5年を5つの期に分けました。件数が8件未満のマスは「—」にしています。

業種×期の1か月後の株価騰落率(平均)
青=プラス、赤=マイナス。8件未満のマスは「—」
業種 1か月後の株価騰落率 平均 21/9〜22/8(%) 1か月後の株価騰落率 平均 22/9〜23/8(%) 1か月後の株価騰落率 平均 23/9〜24/8(%) 1か月後の株価騰落率 平均 24/9〜25/8(%) 1か月後の株価騰落率 平均 25/9〜26/8(%)
証券、商品先物取引業 -7.10 -2.72 -6.65 -9.05 -4.13
海運業 — — — -7.64 -2.34
鉄鋼 -6.91 -1.14 -8.79 -7.58 -4.19
非鉄金属 -6.47 -1.42 -7.92 -7.45 +2.69
医薬品 — — — -5.91 -2.07
輸送用機器 -6.47 +0.89 -5.72 -7.07 -1.76
化学 -5.74 -0.58 -4.45 -6.52 -1.11
保険業 — +3.30 — — —
電気機器 -5.09 -0.00 -5.94 -6.89 +1.24
ゴム製品 -4.46 -0.80 -4.64 -3.60 -2.11
金属製品 -4.42 +0.86 -5.17 -5.13 -2.60
銀行業 -5.50 +0.23 -4.94 -5.68 -0.01
ガラス・土石製品 -6.11 -0.27 -2.84 -4.39 -1.73
卸売業 -4.80 +0.90 -5.01 -5.30 -1.15
建設業 -5.99 +0.14 -5.37 -2.82 -0.37
電気・ガス業 -4.94 -0.61 — -2.80 —
サービス業 -3.16 -0.16 -2.78 -3.68 -2.57
その他製品 -4.36 +1.30 -3.44 -4.06 -3.55
小売業 -3.01 -0.34 -1.78 -1.57 -4.63
不動産業 -3.87 +0.59 -4.22 -2.73 -2.71
繊維製品 — — — -1.21 —
機械 -3.89 +1.49 -5.26 -5.15 -0.55
倉庫・運輸関連業 — -0.16 — -1.28 —
食料品 — +0.19 — -0.90 -3.82
その他金融業 -0.50 +1.17 -6.54 -5.30 -1.79
情報・通信業 -1.90 +0.55 -4.87 -2.04 -1.16
精密機器 — +0.59 — +0.14 —
高配当株 全体 -5.02 +0.29 -4.86 -4.89 -1.75

高配当株全体で1か月後の株価騰落率の平均がプラスだったのは22/9〜23/8(+0.29%)だけで、ほかの4期は-1.75%〜-5.02%でした。どの業種も相場全体の影響を強く受けています。その中で証券、商品先物取引業は5期すべてマイナス(-2.72%〜-9.05%)、鉄鋼も5期すべてマイナスでした。非鉄金属は4期マイナスでしたが、直近の25/9〜26/8は+2.69%とプラスに転じています。

業種×期の市場比(中央値)
配当込みで市場全体と比べた差。青=市場より強かった、赤=市場より弱かった
業種 市場比 中央値 21/9〜22/8(%) 市場比 中央値 22/9〜23/8(%) 市場比 中央値 23/9〜24/8(%) 市場比 中央値 24/9〜25/8(%) 市場比 中央値 25/9〜26/8(%)
証券、商品先物取引業 -1.96 -1.15 -0.31 -1.53 -0.76
海運業 — — — -0.15 +0.54
鉄鋼 -0.80 -0.02 -3.79 -1.22 -2.52
非鉄金属 -1.64 -1.35 -0.86 +0.29 +5.99
医薬品 — — — +0.37 +0.25
輸送用機器 +0.29 +0.73 -1.51 -0.59 +0.81
化学 -0.55 -0.86 +0.55 -1.34 +0.65
保険業 — +3.88 — — —
電気機器 +0.41 +0.50 -0.77 -1.80 +2.59
ゴム製品 +0.62 -0.78 -0.99 +0.53 +0.28
金属製品 +0.43 +0.50 +0.66 +1.10 -0.82
銀行業 +0.40 +0.19 -0.15 +1.07 +1.71
ガラス・土石製品 -2.39 -0.46 +1.77 -1.38 -0.00
卸売業 +1.57 +0.79 +0.68 +0.41 +0.35
建設業 +1.03 +0.42 +0.70 +3.42 +0.68
電気・ガス業 +0.91 +1.13 — +3.22 —
サービス業 +1.20 -0.51 +0.90 +0.93 -1.01
その他製品 +0.69 +1.00 +0.77 +0.55 -1.89
小売業 +2.00 -0.18 +0.45 +2.94 -1.58
不動産業 +1.04 +0.60 +0.05 +1.05 -0.70
繊維製品 — — — +2.82 —
機械 +1.86 +0.84 +0.02 -0.25 +1.66
倉庫・運輸関連業 — +1.01 — +2.88 —
食料品 — +0.45 — +3.28 -2.47
その他金融業 +3.81 +0.87 -1.33 +0.72 +0.06
情報・通信業 +3.20 -1.34 +0.18 +1.18 +0.11
精密機器 — +2.16 — +1.38 —

市場比がプラスだった期の数は、卸売業・建設業が5期中5期、電気・ガス業が件数のある3期中3期。金属製品・銀行業・その他製品・不動産業・機械・その他金融業・情報・通信業が5期中4期でした。反対に証券、商品先物取引業と鉄鋼は5期中0期で、毎期、市場全体より弱い結果でした。ガラス・土石製品も5期中1期だけです。

5年以前(2016年9月〜2021年8月)と比べると

業種別:1か月後の株価騰落率 5年以前と直近5年
水色=5年以前、紺=直近5年。カッコ内は件数(5年以前→直近5年)
順位(位) 業種 直近5年 1か月後の株価騰落率 平均(%) 5年以前 件数(件) 2016/9〜2021/8 5年以前 1か月後の株価騰落率 平均(%) 直近5年 1か月の株価最大下落率 平均(%) 5年以前 1か月の株価最大下落率 平均(%) 直近5年 1か月後(20営業日後)に回復した割合(%) 5年以前 1か月後(20営業日後)に回復した割合(%)
1 証券、商品先物取引業 -6.02 92 -3.00 -11.05 -8.81 9.8 31.5
2 海運業 -5.93 12 +1.88 -12.52 -7.86 7.9 75.0
3 鉄鋼 -5.56 35 -2.81 -10.47 -9.65 19.3 40.0
4 非鉄金属 -4.22 22 -1.62 -10.37 -9.73 28.6 31.8
5 医薬品 -4.06 9 -4.30 -8.35 -9.39 19.5 22.2
6 輸送用機器 -3.86 64 -0.63 -9.84 -10.29 24.8 46.9
7 化学 -3.51 98 -0.92 -8.35 -8.47 25.2 46.9
8 保険業 -3.25 26 -2.00 -7.47 -7.42 37.5 42.3
9 電気機器 -3.17 70 -0.58 -9.41 -8.79 34.6 40.0
10 ゴム製品 -3.12 15 -2.07 -8.12 -9.86 29.8 33.3
11 金属製品 -3.10 21 -1.02 -8.20 -10.20 29.8 38.1
12 銀行業 -3.03 162 -5.84 -7.82 -10.40 27.8 17.3
13 ガラス・土石製品 -3.01 29 -2.24 -7.96 -8.57 29.7 37.9
14 卸売業 -2.90 220 -2.61 -8.80 -9.10 27.9 35.0
15 建設業 -2.67 137 -5.58 -8.47 -10.52 29.7 17.5
16 電気・ガス業 -2.67 21 -6.44 -7.42 -9.49 26.7 9.5
17 サービス業 -2.55 88 -1.82 -7.45 -8.51 31.3 40.9
18 その他製品 -2.55 22 -4.77 -7.19 -9.65 23.6 27.3
19 小売業 -2.52 47 -5.00 -7.35 -11.21 26.5 23.4
20 不動産業 -2.45 55 -5.88 -7.55 -11.71 26.5 18.2
21 繊維製品 -2.43 10 -5.30 -8.47 -13.49 31.2 40.0
22 機械 -2.42 103 -0.10 -8.72 -9.30 34.4 43.7
23 倉庫・運輸関連業 -2.17 8 +0.96 -7.66 -11.59 40.0 50.0
24 食料品 -2.13 15 -3.34 -6.88 -6.51 28.6 20.0
25 その他金融業 -2.05 31 -5.00 -7.63 -10.36 32.9 29.0
26 情報・通信業 -1.60 59 -1.84 -6.67 -7.56 29.3 39.0
27 精密機器 -1.30 14 -1.61 -8.03 -9.99 41.2 35.7

順位は直近5年の1か月後の株価騰落率の平均が低い順。5年以前も高配当(年間配当利回り3.5%以上)の回だけを数えています。

高配当株全体では、1か月後の株価騰落率の平均は5年以前が-2.97%(1,504件)、直近5年が-3.04%とほぼ同じです。ところが業種別に見ると、並びが大きく入れ替わっています。

  • 直近5年で下げが大きくなった業種:海運業(+1.88%→-5.93%、5年以前は12件)、証券、商品先物取引業(-3.00%→-6.02%)、鉄鋼(-2.81%→-5.56%)、輸送用機器(-0.63%→-3.86%)、化学(-0.92%→-3.51%)、電気機器(-0.58%→-3.17%)、機械(-0.10%→-2.42%)。
  • 直近5年で下げが小さくなった業種:電気・ガス業(-6.44%→-2.67%)、不動産業(-5.88%→-2.45%)、銀行業(-5.84%→-3.03%)、建設業(-5.58%→-2.67%)、繊維製品(-5.30%→-2.43%)、小売業(-5.00%→-2.52%)、その他金融業(-5.00%→-2.05%)。
  • あまり変わらない業種:情報・通信業(-1.84%→-1.60%)、精密機器(-1.61%→-1.30%)、卸売業(-2.61%→-2.90%)、医薬品(-4.30%→-4.06%、5年以前は9件)。

「この業種は権利落ち後に下げやすい」という傾向は、5年単位でも変わることがあります。直近5年の結果だけで業種の性格を決めつけないほうがよさそうです。情報・通信業と精密機器は、どちらの5年でも高配当株全体より下げが小さい結果でした。

業種ごとの代表銘柄

各業種で、直近5年に高配当(年間配当利回り3.5%以上)の状態で権利落ちした回数が多い3銘柄です。1銘柄あたりの回数は4〜13回と少なく、偶然の要素が大きい点に注意してください。

業種 銘柄(コード) 回数(回) 2021/9〜2026/8 1か月後の株価騰落率 平均(%) 1か月の株価最大下落率 平均(%) 1か月後(20営業日後)に回復した割合(%)
証券、商品先物取引業 岩井コスモホールディングス(8707) 10 -4.62 -9.81 20.0
証券、商品先物取引業 松井証券(8628) 10 -4.70 -7.36 10.0
証券、商品先物取引業 大和証券グループ本社(8601) 10 -5.34 -10.09 0.0
海運業 NSユナイテッド海運(9110) 9 -5.70 -11.55 11.1
海運業 川崎汽船(9107) 9 -5.73 -12.57 11.1
海運業 商船三井(9104) 8 -7.88 -15.18 0.0
鉄鋼 日本製鉄(5401) 10 -6.95 -10.90 10.0
鉄鋼 栗本鐵工所(5602) 9 -1.22 -6.03 33.3
鉄鋼 三菱製鋼(5632) 9 -6.48 -11.61 11.1
非鉄金属 AREホールディングス(5857) 10 -2.88 -8.79 30.0
非鉄金属 大紀アルミニウム工業所(5702) 9 -4.06 -10.77 44.4
非鉄金属 リョービ(5851) 6 -0.61 -6.56 50.0
医薬品 武田薬品工業(4502) 9 -3.78 -7.37 33.3
医薬品 科研製薬(4521) 9 -4.83 -6.85 11.1
医薬品 アステラス製薬(4503) 4 -5.53 -10.76 25.0
輸送用機器 エクセディ(7278) 10 -2.40 -9.23 30.0
輸送用機器 NOK(7240) 9 -1.66 -9.51 44.4
輸送用機器 プレス工業(7246) 9 -2.41 -8.91 33.3
化学 森六(4249) 10 -3.04 -8.22 10.0
化学 ダイキョーニシカワ(4246) 10 -4.09 -9.56 30.0
化学 ハリマ化成グループ(4410) 10 -4.59 -7.59 10.0
保険業 MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725) 9 -4.42 -8.99 11.1
保険業 かんぽ生命保険(7181) 6 -2.16 -6.89 50.0
保険業 SOMPOホールディングス(8630) 5 -2.39 -6.93 40.0
電気機器 京三製作所(6742) 9 -2.24 -9.61 33.3
電気機器 IDEC(6652) 9 -6.40 -10.77 22.2
電気機器 スミダコーポレーション(6817) 8 -1.05 -5.90 50.0
ゴム製品 バンドー化学(5195) 10 -6.85 -10.57 10.0
ゴム製品 三ツ星ベルト(5192) 9 -5.65 -9.40 0.0
ゴム製品 TOYO TIRE(5105) 8 -1.03 -8.15 50.0
金属製品 アルインコ(5933) 10 -1.14 -6.49 30.0
金属製品 高周波熱錬(5976) 9 -3.44 -7.66 22.2
金属製品 宮地エンジニアリンググループ(3431) 9 -3.92 -8.24 22.2
銀行業 あおぞら銀行(8304) 13 -2.24 -6.49 30.8
銀行業 セブン銀行(8410) 9 -2.16 -6.72 33.3
銀行業 三井住友トラストグループ(8309) 9 -4.21 -9.37 33.3
ガラス・土石製品 日本カーボン(5302) 10 -2.76 -6.36 20.0
ガラス・土石製品 アジアパイルホールディングス(5288) 10 -3.25 -8.30 30.0
ガラス・土石製品 AGC(5201) 9 -0.31 -6.09 44.4
卸売業 モリト(9837) 10 -0.28 -5.30 40.0
卸売業 レスター(3156) 10 -2.87 -8.56 20.0
卸売業 オートバックスセブン(9832) 10 -2.96 -6.33 20.0
建設業 大末建設(1814) 10 -1.18 -9.82 20.0
建設業 安藤・間(1719) 10 -2.29 -7.05 40.0
建設業 日本国土開発(1887) 10 -3.47 -6.17 10.0
電気・ガス業 電源開発(9513) 9 -1.81 -7.12 33.3
電気・ガス業 西部ガスホールディングス(9536) 6 -1.30 -6.39 33.3
電気・ガス業 中部電力(9502) 5 -1.92 -8.83 40.0
サービス業 学究社(9769) 10 -1.44 -5.69 20.0
サービス業 H.U.グループホールディングス(4544) 10 -2.22 -7.40 30.0
サービス業 日本空調サービス(4658) 10 -3.21 -7.74 0.0
その他製品 小松ウオール工業(7949) 10 -4.97 -8.97 0.0
その他製品 ローランド(7944) 8 -0.20 -7.20 37.5
その他製品 ニホンフラッシュ(7820) 8 -2.08 -5.47 25.0
小売業 スクロール(8005) 10 -2.97 -7.66 30.0
小売業 VTホールディングス(7593) 10 -3.89 -7.38 20.0
小売業 ヨンドシーホールディングス(8008) 9 -1.64 -5.29 22.2
不動産業 フジ住宅(8860) 10 -3.69 -7.50 20.0
不動産業 MIRARTHホールディングス(8897) 10 -3.71 -7.28 10.0
不動産業 フージャースホールディングス(3284) 10 -3.89 -9.18 10.0
繊維製品 シキボウ(3109) 7 -5.51 -8.34 0.0
繊維製品 オンワードホールディングス(8016) 5 -0.34 -10.06 40.0
繊維製品 帝人(3401) 4 -3.90 -10.34 25.0
機械 日工(6306) 10 -3.29 -6.47 0.0
機械 イーグル工業(6486) 10 -4.21 -9.60 20.0
機械 酒井重工業(6358) 10 -5.91 -10.16 10.0
倉庫・運輸関連業 エーアイテイー(9381) 9 -0.31 -7.91 33.3
倉庫・運輸関連業 住友倉庫(9303) 7 -3.65 -7.27 28.6
倉庫・運輸関連業 澁澤倉庫(9304) 6 -1.44 -5.77 66.7
食料品 日本たばこ産業(2914) 10 -1.14 -5.17 30.0
食料品 ウェルネオシュガー(2117) 10 -3.84 -6.73 20.0
食料品 DM三井製糖(2109) 7 -3.44 -8.87 14.3
その他金融業 ジャックス(8584) 10 -3.63 -8.47 20.0
その他金融業 SBIアルヒ(7198) 10 -4.69 -8.39 30.0
その他金融業 イオンフィナンシャルサービス(8570) 7 +0.66 -6.81 42.9
情報・通信業 CAC Holdings(4725) 10 -1.99 -5.95 30.0
情報・通信業 SRAホールディングス(3817) 10 -3.13 -7.06 30.0
情報・通信業 ソフトバンク(9434) 10 -3.31 -6.82 10.0
精密機器 ノーリツ鋼機(7744) 9 -0.88 -8.61 44.4
精密機器 シチズン時計(7762) 8 -3.09 -8.34 37.5
精密機器 愛知時計電機(7723) 4 +0.16 -9.54 50.0

同じ業種でも銘柄によって差があります。鉄鋼では日本製鉄の1か月後の株価騰落率の平均が-6.95%なのに対し、栗本鐵工所は-1.22%。海運業は3銘柄とも-5%を超える下げで、商船三井は8回すべてで1か月後(20営業日後)に権利落ち直前の株価を下回っていました(1か月後(20営業日後)に回復した割合0.0%)。業種の平均は目安にとどめ、銘柄ごとの記録も合わせて見るのがよさそうです。

参考:件数が少ない業種

高配当の権利落ちが15〜29件の4業種です。件数が少ないため本表には入れていません。

業種 件数(件) 2021/9〜2026/8 銘柄数(社) 権利落ち日の株価騰落率 平均(%) 1か月の株価最大下落率 平均(%) 1か月後の株価騰落率 平均(%) 1か月後(20営業日後)に回復した割合(%) 株価の全戻りまでの日数 中央値(営業日)
石油・石炭製品 21 5 -2.12 -8.89 -2.91 33.3 14
パルプ・紙 21 7 -2.01 -8.04 -1.96 33.3 22
鉱業 19 3 -1.72 -8.86 -1.72 47.4 4
陸運業 25 9 -1.95 -5.96 -0.87 24.0 10

陸運業は1か月後の株価騰落率の平均が-0.87%と小さい一方、1か月後(20営業日後)に回復した割合は24.0%でした。鉱業は株価の全戻りまでの日数の中央値が4営業日と短めですが、3社・19件だけの結果です。

東証33業種の残りの2業種は、高配当の権利落ちが15件未満のため載せていません。

注意点

  • 今の上場銘柄だけを調べています。上場廃止になった会社は入っていないため、結果は実際より良く見えている可能性があります。
  • 権利落ちは3月末・9月末に集中しています。同じ日に権利落ちした銘柄は相場の影響を一緒に受けるので、件数ほど独立したデータではありません。
  • 業種によって件数・銘柄数が少ないものがあります(海運業は5社38件、保険業は7社32件など)。少数の銘柄の動きで業種の数字が大きく変わります。
  • 直近5年は株価が全体に上がった時期です。特に3か月後・6か月後の株価騰落率は、相場全体の上昇の影響を大きく受けています。
  • 税金・手数料は含んでいません。
  • 過去の傾向がこれからも続くとは限りません。この記事は特定の業種・銘柄の売買を勧めるものではありません。

まとめ

  • 高配当株の権利落ち後の株価は、業種で差が大きい。1か月後の株価騰落率の平均は、証券、商品先物取引業-6.02%・海運業-5.93%・鉄鋼-5.56%から、情報・通信業-1.60%・精密機器-1.30%まで。
  • 業種による差は、権利落ち日の株価騰落率では最大1.75ポイントだが、1か月後の株価騰落率では4.72ポイントに開く。
  • 下げが大きい業種は株価の全戻りにも時間がかかる(証券、商品先物取引業は中央値43営業日)が、6か月後の株価騰落率の平均は27業種すべてプラス。
  • 証券、商品先物取引業と鉄鋼は市場比が5期すべてマイナス、卸売業・建設業は5期すべてプラス。
  • ただし5年以前とは業種の並びが大きく入れ替わっており、同じ傾向が続くとは限らない。

配当を目当てに権利付き最終日の直前に買う場合、業種によってはその後1か月で株価が10%前後下がる回も珍しくありません(1か月の株価最大下落率の平均は海運業-12.52%、証券、商品先物取引業-11.05%)。業種ごとの下げ方の違いを知ったうえで、余裕を持った資金で考えるのが安心です。

高配当株全体の結果や、銘柄ごとのランキングは前回の記事にまとめています。高配当株は権利落ち後どれだけ下がり、いつ戻る?約5,000回の検証と銘柄ランキング

動画でも解説しています

本記事は yfinance の株価・配当データをもとに機械的に集計した結果をまとめたものです。特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、将来の株価や配当を保証するものでもありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。

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