2026年も8ヶ月が経過しました。前回(7月末)記事の続編として、8月末時点の世界市場をデータで振り返ります。
7月は「アジア急落・欧州反発」という調整の月でしたが、8月はそのアジアが力強く反発。韓国・台湾がふたたび大きく水準を切り上げ、全体としてもほぼ全面高となりました。ACWI(オルカン)は年初来+14.3%と今年の最高水準に到達。3ヶ月連続で ACWI > S&P500 の構図が続いています。
2026年8ヶ月経過 世界市場の動向は?
主要4指数の年初来パフォーマンス(2025年末=100)です。7月の落ち込みから、8月にきれいに戻しているのが分かります。

- 日経225 +31.7% — 7月の+27.9%から回復(6万6千円台)
- Russell2000(IWM) +19.9% — 米小型株が年初来高値圏
- ACWI +14.3% / S&P500(SPY) +13.1% — 両者とも年初来最高水準
7月に「上がりすぎたものが戻す健全な調整」と書きましたが、8月はその反動で、下げたものほどよく戻る展開になりました。ナスダック100も+12.3%から+17.0%へと大きく水準を回復しています。
今年の特徴は? ACWI > S&P500(2年連続・3ヶ月連続)

- ACWI: +14.30%(紫)
- S&P500(SPY): +13.08%(水色)
- 差分: +1.22pt(7月末の+1.15ptからわずかに拡大)
6月末+1.57pt → 7月末+1.15pt → 8月末+1.22pt。ここ3ヶ月、差はほぼ1〜1.5ptのレンジで安定しています。アジアが急落した月も、急騰した月も、最終的な差があまり動かないというのは興味深いところ。ACWIの中身の6割超が米国株である以上、短期の国別の明暗は、指数レベルではかなり打ち消し合うということです。
あなたは S&P500派、それともオルカン(ACWI)派?
2年連続でACWIが勝っていると、やはりオルカンに目が行きますよね。長期データで確認しておきましょう。

- 過去5年(2021/08 → 2026/08):S&P500 +81.7% / ACWI +68.0%
- 絶対差は +13.7pt で S&P500 の勝ち
ここで見逃せないのが、この差が着実に縮んできていることです。同じ「過去5年」の比較で、6月末は+17.5pt、7月末は+15.7pt、そして8月末は+13.7pt。わずか2ヶ月で4pt近く縮まりました。
もちろん5年の起点がずれる影響もありますが、2021年夏〜2022年の米国優位が5年窓から抜け落ちつつあることの表れでもあります。この縮小が続くのかどうかは、来月以降の見どころです。
長期で見るとどっちが勝つ?1988年からの累積成長
MSCI ACWI 指数本体(ETFではなく指数)の1988年からのデータで、38年の累積成長を比較します。

- S&P500: 1988年=100 → ×30.0 倍(+2,903%)/ついに30倍の大台へ
- MSCI ACWI: ×11.5 倍(+1,050%)
- 差は 約2.6倍。長期では圧倒的にS&P500が勝ち続けている
今月、S&P500が1988年比でついに30倍の大台に乗りました。100万円が3,000万円になった計算です。同じ期間、ACWIは11.5倍(1,150万円)。38年で約2.6倍もの差がついている事実は、直近2年の優劣とは比べものになりません。
ACWI > S&P500 の発生確率は?1989-2026の38年データ

38年の年間騰落率で見ると、ACWI が S&P500 を上回った年は 14年(36.8%)。S&P500 が勝った年が 24年(63.2%)です。
10年区切りで見ると傾向がはっきり
| 年代 | ACWI 勝ち | ACWI 平均年利 | S&P500 平均年利 | 傾向 |
|---|---|---|---|---|
| 1990年代 | 3 / 10年 | +10.2% | +16.1% | 米国優勢(ITバブル) |
| 2000年代 | 7 / 10年 | +1.7% | −0.6% | 米国「失われた10年」。BRICs/新興国優勢 |
| 2010年代 | 2 / 10年 | +7.3% | +11.8% | 米国一極集中(GAFAM) |
| 2020年代 | 2 / 7年 | +11.6% | +14.3% | 米国優勢継続(2025-26で逆転中) |
2000年代だけ ACWI が圧倒したのがポイント。ITバブル崩壊で米国が10年マイナスを記録した中、新興国・コモディティブームに乗った ACWI が持ちこたえました。「米国がコケる10年」が来ない限り ACWI は S&P500 を超えられないのが過去38年の現実です。
国別ETFの年初来騰落率でみると?

- 🥇 韓国(EWY): +86.0% — 7月の+61.6%から24pt反発。半導体・造船が再加速
- 🥈 台湾(EWT): +70.1% — 7月の+52.0%から18pt反発
- 日経225: +31.7%(7月+27.9%から回復)
- Russell2000(IWM): +19.9% / NASDAQ100(QQQ): +17.0%
- オーストラリア(EWA): +16.2% / ブラジル(EWZ): +14.5%
- ACWI: +14.3% / S&P500: +13.1%
- イギリス(EWU): +11.6% / ドイツ(EWG): +6.2%(7月+2.9%から上昇)
- フランス(EWQ): +4.4%
- ⚠️ インド(INDA): -8.1% / 中国(MCHI): -8.3%
8月は14市場中12市場がプラスという、ほぼ全面高の月でした。7月に大きく崩れた韓国・台湾がそのまま主役に返り咲き、欧州も水準を維持。
そんな中で中国とインドだけが年初来マイナスに取り残されているのが今年の際立った特徴です。「新興国」とひとくくりにできない年である、という構図は8月も変わりませんでした。
ACWIの構成国比率はどう変化した?63〜64%で一進一退
ACWI(オルカン)は時価総額加重なので、値上がりした国の比率が自動的に増えていく仕組みです。

- 2010年に 約45% だった米国比率は、2025年に 約66% でピークをつけた
- 2026年は 63〜64%で一進一退(6月63% → 7月64% → 8月63%)
- 15年続いた右肩上がりが、ひとまず頭打ちになったのは確か
6月に「15年ぶりの低下は地殻変動の予兆か」と書き、7月には「あっさり巻き戻された」と書きました。そして8月、アジアの反発で再び63%へ。3ヶ月見て言えるのは「上昇トレンドは止まったが、明確な下降トレンドにも入っていない」ということです。
米国一極集中が本当に終わるのかどうかは、やはり年単位で見ていく必要があります。

現在のACWI構成国比率です。米国が約63%と、1国でほぼ3分の2。2位の日本が約4.9%、以下イギリス・カナダ・台湾と続きます。株価が急反発した台湾は比率を2.3%→2.7%へと戻し、再び中国を上回りました。
※構成国比率は MSCI ACWI ファクトシート/iShares ACWI 公表データを基にした概算です。月次・市況により変動します。
まとめ
- 2026年8月末、ACWI +14.3% > S&P500 +13.1%。3ヶ月連続でACWI優位(差+1.22pt)
- 8月はほぼ全面高。7月に急落した韓国(+24pt)・台湾(+18pt)が力強く反発
- 両指数とも年初来最高水準。ACWIは+14.3%まで到達
- 過去5年の差が縮小中(6月+17.5pt→7月+15.7pt→8月+13.7pt)
- S&P500は1988年比でついに×30倍。長期の優位は依然として揺るがず
- 結論:1ヶ月ごとに急落と急騰を繰り返す相場。だからこそ結果論で勝者を追わず、決めた投資を続けることが大事
※本記事は公開データを集計した参考情報であり、特定銘柄の投資推奨ではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。データ出典:MSCI ACWI 指数(^892400-USD-STRD)/S&P500 指数(^GSPC)/各ETF/MSCI・iShares 構成国データ。Yahoo Finance ほかより取得(2026-08-31 時点)。


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