2026年も5ヶ月が経過しました。前回(4月末)記事の続編として、5月末時点の世界市場をデータで振り返ります。
結論を先に言うと、2026年5月末時点でも ACWI > S&P500 という構図が継続。ただし4月初の急落から両者そろってV字回復し、年初来リターンはともに2桁(ACWI +12.05% / S&P500 +11.24%)まで戻しました。差は4月末の +1.31pt から +0.81pt へ縮小しています。
2026年5ヶ月経過 世界市場の動向は?
主要4指数の年初来パフォーマンス(2025年末=100)です。4月頭のボトムから1ヶ月半でどこまで戻したかが一目で分かります。

- 日経225 +31.8% — 独走continue。5月末で6万6千円台まで上昇
- NASDAQ100(QQQ) +20.3% — ハイテク主導の戻りが鮮明
- Russell2000(IWM) +18.2% — 米小型株も利下げ観測で続伸
- ACWI +12.1% / S&P500(SPY) +11.2% — 僅差でACWIがリード
4月初に中東情勢悪化+関税ショックで急落しましたが、その後の停戦観測と利下げ期待で全面高に。特に日経の戻りが力強く、わずか2ヶ月で年初来+13ptも水準を切り上げました。
今年の特徴は? ACWI > S&P500(2年連続を維持)

- ACWI: +12.05%(紫)
- S&P500(SPY): +11.24%(水色)
- 差分: +0.81pt(ACWIが優位、ただし4月末から縮小)
チャートを見ると、4月頭のボトムではS&P500の方が深く沈んだ(ACWI -5%に対しS&P500 -7%)ものの、その後の戻り局面では米国ハイテクが急回復。5月後半にかけて差をかなり詰めてきました。このまま行けば年後半に逆転する可能性も十分あります。
あなたは S&P500派、それともオルカン(ACWI)派?
「2年連続ACWI優位」が続くと、やはりオルカンに気持ちが傾きますよね。でも長期データを見て冷静になりましょう。

- 過去5年(2021/05 → 2026/05):S&P500 +93.0% / ACWI +71.4%
- 絶対差は +21.6pt で S&P500 の勝ち
- 2026年の急回復で両者とも年初来高値圏。それでも5年スパンの差は大きい
長期で見れば依然 S&P500 のリードは大きい。それでも私が「生きているうちに追い付かれても大差はつかないだろう、、、たぶん」と考え、S&P500派を続けるのは「決定的に間違えてはいない」という安心感があるからです。
長期で見るとどっちが勝つ?1988年からの累積成長
MSCI ACWI 指数本体(ETFではなく指数)の1988年からのデータで、38年の累積成長を比較します。

- S&P500: 1988年=100 → ×29.6 倍(+2,862%)
- MSCI ACWI: ×11.3 倍(+1,032%)
- 差は 約2.6倍。長期では圧倒的にS&P500が勝ち続けている
2000年代前半まではほぼ並走していましたが、2010年以降の米国一極集中相場で差が決定的に開きました。
ACWI > S&P500 の発生確率は?1989-2026の38年データ

38年の年間騰落率で見ると、ACWI が S&P500 を上回った年は 14年(36.8%)。S&P500 が勝った年が 24年(63.2%)です。
10年区切りで見ると傾向がはっきり
| 年代 | ACWI 勝ち | ACWI 平均年利 | S&P500 平均年利 | 傾向 |
|---|---|---|---|---|
| 1990年代 | 3 / 10年 | +10.2% | +16.1% | 米国優勢(ITバブル) |
| 2000年代 | 7 / 10年 | +1.7% | −0.6% | 米国「失われた10年」。BRICs/新興国優勢 |
| 2010年代 | 2 / 10年 | +7.3% | +11.8% | 米国一極集中(GAFAM) |
| 2020年代 | 2 / 7年 | +11.3% | +14.1% | 米国優勢継続(2025-26で逆転中) |
2000年代だけ ACWI が圧倒したのがポイント。ITバブル崩壊で米国が10年マイナスを記録した中、新興国・コモディティブームに乗った ACWI が持ちこたえました。「米国がコケる10年」が来ない限り ACWI は S&P500 を超えられないのが過去38年の現実です。2025-2026の連勝が地殻変動の予兆なのか、まだ判断は早いところです。
国別ETFの年初来騰落率でみると?

- 🥇 韓国(EWY): +111.7% — 4月末の+62%からさらに倍増。半導体・造船・原発の三本柱が爆騰
- 🥈 台湾(EWT): +61.8% — TSMC中心にAI関連が続伸
- 日経225: +31.8%
- NASDAQ100(QQQ): +20.3%
- Russell2000(IWM): +18.2%
- ブラジル(EWZ): +13.0%
- ACWI: +12.1% / オーストラリア(EWA): +11.7% / S&P500: +11.2%
- イギリス(EWU): +6.7%
- ドイツ(EWG): +2.2% / フランス(EWQ): +2.2%(4月末のマイナス圏からプラス転換)
- ⚠️ 中国(MCHI): -8.3% — 一段安
- ⚠️ インド(INDA): -10.2% — 今年の最弱。高バリュエーション修正が続く
今年の主役は引き続き韓国・台湾のアジアハイテク。韓国に至っては年初来で資産が2倍以上という驚異的な数字です。一方で中国・インドは年初来マイナスが続き、明暗がくっきり。「強い国・弱い国は年で入れ替わる」という教訓を、今年も改めて突きつけられます。
ACWIの構成国比率はどう変化した?米国一極集中の15年と2026年の転機
ここで「ACWI(オルカン)の中身が、この15年でどう変わってきたか」を見ておきましょう。ACWIは時価総額加重なので、値上がりした国の比率が自動的に増えていく仕組みです。

- 2010年に 約45% だった米国比率は、米国株の独走で 2025年には約66% まで上昇
- つまり「オルカンを買う=実質3分の2が米国株」という状態がずっと続いてきた
- ところが2026年は約15年ぶりに米国比率が低下(66%→63%)
これが今年の「ACWI > S&P500」を生んだ最大の理由です。韓国(+112%)・台湾(+62%)・日本(+32%)といった非米国が急騰したことで、ACWIの中の「米国以外37%」の部分が大きく押し上げられ、結果として米国比率が相対的に下がりました。
長年「上がり続けてきた米国比率」が初めて頭打ちになった——これが小さな転機なのか、それとも2000年代型の大きな地殻変動の入り口なのかが、今後の最大の注目点です。

現在のACWI構成国比率を見ても、米国が約63%と1国でほぼ3分の2を占めます。2位の日本(約5%)以下、イギリス・カナダ・中国・フランス・台湾などが数%ずつ。ACWIとS&P500を比べるということは、実質的に「ACWIの残り37%(=米国以外)」の出来次第、ということがこの図からも分かります。
※構成国比率は MSCI ACWI ファクトシート/iShares ACWI 公表データを基にした概算です。月次・市況により変動します。
まとめ
- 2026年5月末、ACWI +12.1% > S&P500 +11.2%。2年連続ACWI優位を維持するも、差は+0.81ptに縮小
- 4月急落から両者V字回復。米国ハイテクの戻りが強く、年後半は逆転の可能性も
- 過去38年では S&P500 が24勝14敗、累積 ×29.6倍 vs ×11.3倍と長期は米国が圧倒
- ACWIの米国比率は約15年ぶりに低下(66%→63%)。非米国の急騰が今年のACWI優位の正体
- 2026年の主役は 韓国(+112%)・台湾(+62%)・日経(+32%)。中国・インドは year-to-date マイナス
- 結論:長期で持つならどちらでも大差なし。結果論で勝者を追わず、続けることが何より大事
※本記事は公開データを集計した参考情報であり、特定銘柄の投資推奨ではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。データ出典:MSCI ACWI 指数(^892400-USD-STRD)/S&P500 指数(^GSPC)/各ETF/MSCI・iShares 構成国データ。Yahoo Finance ほかより取得(2026-05-29 時点)。

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