【アクティブファンドの動き|2083 週次分析】2026年6月12日 — 富士通・日立を大量買い、半導体装置の次はITインフラ

分析

NEXT FUNDS 日本成長株アクティブETF(銘柄コード 2083)の週次ポートフォリオを比較分析しました。本記事は 2026年6月12日(金)基準日 のPCFを、前回記事の基準日である 6月10日 と突き合わせ、直近2営業日でファンドマネージャーがどう動いたのかを抽出したものです。基準日時点の純資産総額は 約35.7億円、キャッシュは約1.2億円です。

 

▶ この記事を音声で聞く(VOICEVOX:青山龍星 / 約1分50秒)

 

今回は 新規買い2銘柄、完全売却1銘柄、買い増し12銘柄、部分売却7銘柄 という構成。わずか2営業日とは思えない活発さで、主役は 富士通(約6.7倍)と日立製作所(約6.6倍)への大量買い です。前回の「半導体製造装置への絞り込み」に続き、今回はITサービス・社会インフラの巨人2社へ攻め先を広げました。新規には半導体工場向けガス供給の ジャパンマテリアル とボイラ国内首位の 三浦工業 を組み入れ、通信計測器の アンリツ は株価急落の翌日に全株売却しています。

 

1. 今週のトレードサマリー

区分 銘柄数 主役
新規買い 2 ジャパンマテリアル、三浦工業
完全売却 1 アンリツ
買い増し 12 富士通、日立製作所
部分売却 7 ラサ工業、エア・ウォーター
動いた銘柄 合計 22

 

動きを日別に見ると性格がはっきり分かれます。6月11日は、株価が大きく下げた村田製作所・ソフトバンクグループ・MonotaROの押し目買いと、エア・ウォーター・ゆうちょ銀行・セコムの売りでキャッシュを約1.85億円まで積み上げ。そして 6月12日に、富士通・日立・新規2銘柄を含む14銘柄を一斉に売買し、キャッシュを約1.2億円まで投下しました。準備して、一気に張る——攻めの2日間です。

 

2. 【新規買い】2銘柄 — ジャパンマテリアル・三浦工業を組み入れ

コード 銘柄名 株数 株価(円) 評価額(円) 保有割合
6055 ジャパンマテリアル 3,300 2,167 7,151,100 0.20%
6005 三浦工業 1,700 3,117 5,298,900 0.15%

いずれも6月12日に新規で組み入れられました。ジャパンマテリアル は半導体・液晶工場向けに特殊ガスの供給やファシリティ運営を一括で請け負う「半導体インフラ」企業。前回の装置(アドバンテスト・東京エレクトロン・ディスコ・荏原)に続き、半導体テーマの裾野を「材料・工場インフラ」へ広げる一手です。三浦工業 は小型貫流ボイラで国内首位、メンテナンス収益が安定した産業インフラ銘柄。どちらもまずは0.2%前後の小さな初期ポジションで、今後の買い増しがあるか注目です。

 

3. 【完全売却】1銘柄 — アンリツを急落翌日に処分

コード 銘柄名 前回株数 今回株数 結果
6754 アンリツ 800 0 保有ゼロ(撤退)

通信計測器の アンリツ は、6月11日に株価が4,281円→3,834円と 1日で10%超の急落。その翌日の6月12日に、保有800株をすべて売却しました。もともと保有割合0.1%未満の小さなポジションでしたが、急落を受けて見切りをつけた、ロスカット色の濃い撤退です。

 

4. 【買い増し】12銘柄 — 富士通・日立へ大量買い

コード 銘柄名 前回株数 今回株数 株数差 増減率
6702 富士通 1,100 7,400 +6,300 +573%
6501 日立製作所 700 4,600 +3,900 +557%
3064 MonotaRO 80,900 84,700 +3,800 +4.7%
4686 ジャストシステム 6,600 9,300 +2,700 +40.9%
7832 バンダイナムコホールディングス 12,000 14,600 +2,600 +21.7%
4684 オービック 16,400 18,000 +1,600 +9.8%
5631 日本製鋼所 12,400 13,900 +1,500 +12.1%
6954 ファナック 2,200 3,700 +1,500 +68.2%
6981 村田製作所 29,000 30,300 +1,300 +4.5%
9984 ソフトバンクグループ 16,300 17,400 +1,100 +6.7%
3891 ニッポン高度紙工業 6,500 6,800 +300 +4.6%
9766 コナミグループ 1,800 2,100 +300 +16.7%

主役は 富士通。6月12日に1,100株から7,400株へ、約6.7倍に積み増しました。日立製作所 も同日に700株から4,600株へ 約6.6倍。いずれもITサービス・社会インフラ・AI関連投資の中核企業で、株価が直近で下げた局面を拾う形の大量買いです。2銘柄合わせて約4,000万円規模の投下となりました。

 

もう一つの見どころは 押し目買い です。前週に4,500株売ったばかりの 村田製作所 を、株価が8,650円まで下げた6月11日に+1,300株買い戻し。ソフトバンクグループ も株価が-9.6%下げる中で+1,100株、MonotaRO も6月11日に+3,800株と、下げたところを的確に拾っています。このほか ファナック(+68%)、ジャストシステム(+41%)、ゲームの バンダイナムコ・コナミ と、買いの裾野は広がっています。

 

増加TOP5 保有株数の推移(6/10〜6/12)

5. 【部分売却】7銘柄 — ラサ工業は手仕舞い目前

コード 銘柄名 前回株数 今回株数 株数差 減少率
4022 ラサ工業 12,200 3,900 -8,300 -68.0%
4088 エア・ウォーター 8,900 4,400 -4,500 -50.6%
7182 ゆうちょ銀行 28,000 24,700 -3,300 -11.8%
6134 FUJI 9,800 7,700 -2,100 -21.4%
9735 セコム 3,600 2,200 -1,400 -38.9%
6367 ダイキン工業 700 200 -500 -71.4%
8035 東京エレクトロン 800 700 -100 -12.5%

売り側の筆頭は引き続き ラサ工業。6月12日に-8,300株と大きく削り、2週間前に21,800株あった保有は残り3,900株。手仕舞いまであと一歩です。産業ガスの エア・ウォーター は6月11日に半減させました。前回-51%だった セコム はさらに-39%、ゆうちょ銀行・FUJI の売り減らしも続き、ダイキン工業 は残り200株まで圧縮。ディフェンシブ・金融の整理は前回からの流れそのままです。なお、前回倍増させたばかりの 東京エレクトロン を-100株だけ削っているのは小幅な調整と見られます。

 

減少TOP5 保有株数の推移(6/10〜6/12)

6. 日別の動き — 11日に仕込み、12日に一気

6月11日(6月10日比) は押し目買いと売却の混在で、キャッシュを積み増した日です。

区分 コード 銘柄名 前日株数 当日株数 株数差
買い増し 3064 MonotaRO 80,900 84,700 +3,800
買い増し 6981 村田製作所 29,000 30,300 +1,300
買い増し 9984 ソフトバンクグループ 16,300 17,400 +1,100
買い増し 3891 ニッポン高度紙工業 6,500 6,800 +300
売り減らし 4088 エア・ウォーター 8,900 4,400 -4,500
売り減らし 7182 ゆうちょ銀行 28,000 24,700 -3,300
売り減らし 9735 セコム 3,600 2,200 -1,400
売り減らし 6134 FUJI 9,800 8,800 -1,000
売り減らし 8035 東京エレクトロン 800 700 -100

 

6月12日(6月11日比) が今回のメインイベント。新規2銘柄を含む14銘柄を一斉に動かしました。

区分 コード 銘柄名 前日株数 当日株数 株数差
買い増し 6702 富士通 1,100 7,400 +6,300
買い増し 6501 日立製作所 700 4,600 +3,900
新規買い 6055 ジャパンマテリアル 0 3,300 +3,300
買い増し 4686 ジャストシステム 6,600 9,300 +2,700
買い増し 7832 バンダイナムコホールディングス 12,000 14,600 +2,600
新規買い 6005 三浦工業 0 1,700 +1,700
買い増し 4684 オービック 16,400 18,000 +1,600
買い増し 5631 日本製鋼所 12,400 13,900 +1,500
買い増し 6954 ファナック 2,200 3,700 +1,500
買い増し 9766 コナミグループ 1,800 2,100 +300
売り減らし 4022 ラサ工業 12,200 3,900 -8,300
売り減らし 6134 FUJI 8,800 7,700 -1,100
完全売却 6754 アンリツ 800 0 -800
売り減らし 6367 ダイキン工業 700 200 -500

 

7. 保有銘柄TOP20 — 順位変動(6/12時点)

今回順位 前回 変動 コード 銘柄名 保有割合
1 1 6981 村田製作所 7.60%
2 2 7203 トヨタ自動車 7.37%
3 3 6098 リクルートホールディングス 7.12%
4 4 3064 MonotaRO 4.25%
5 6 ↑1 8766 東京海上ホールディングス 3.21%
6 5 ↓1 9984 ソフトバンクグループ 3.10%
7 7 6758 ソニーグループ 3.02%
8 8 4063 信越化学工業 2.94%
9 9 7936 アシックス 2.84%
10 10 5631 日本製鋼所 2.77%
11 11 6857 アドバンテスト 2.40%
12 13 ↑1 1605 INPEX 2.18%
13 12 ↓1 7182 ゆうちょ銀行 2.14%
14 16 ↑2 4684 オービック 2.00%
15 17 ↑2 8750 第一生命ホールディングス 1.78%
16 15 ↓1 3891 ニッポン高度紙工業 1.69%
17 19 ↑2 7532 パンパシフィックインターナショナルHD 1.60%
18 14 ↓4 6134 FUJI 1.60%
19 18 ↓1 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ 1.60%
20 24 ↑4 7832 バンダイナムコホールディングス 1.50%

上位4強(村田・トヨタ・リクルート・MonotaRO)は不動です。村田製作所 は株価下落が続くものの、買い戻しもあって首位をキープ(7.60%)。東京海上が5位に浮上し、株価が軟調なソフトバンクグループと入れ替わりました。注目は バンダイナムコが24位→20位(↑4)でTOP20に新登場した点。買い増し+2,600株が効いています。入れ替わりで 第一三共が20位圏外へ後退(株数は21,000株のまま変わらず、株価要因)。FUJIは14位→18位(↓4)と、売り減らしと株価下落のダブルパンチで大きく順位を落としました。

 

8. 保有割合の変化 TOP5/ワースト5

増加 TOP5

順位 銘柄名 保有割合変化 主因
1 富士通 +0.59pt 買い増し(約6.7倍)
2 日立製作所 +0.51pt 買い増し(約6.6倍)
3 ジャストシステム +0.30pt 買い増し(+41%)
4 バンダイナムコホールディングス +0.29pt 買い増し(+22%)
5 日本製鋼所 +0.29pt 買い増し(+12%)

減少 ワースト5

順位 銘柄名 保有割合変化 主因
1 ラサ工業 -0.49pt 部分売却(-68%)
2 FUJI -0.39pt 部分売却+株価下落
3 ダイキン工業 -0.32pt 部分売却(-71%)
4 エア・ウォーター -0.30pt 部分売却(-51%)
5 ゆうちょ銀行 -0.28pt 部分売却(-12%)

今回は 増加TOP5がすべて「自らの買い」由来、減少ワースト5がすべて「自らの売り」由来という、ファンドの意思がそのまま割合に表れた構図です。面白いのは ニッポン高度紙工業 で、+300株買い増したにもかかわらず株価が-14%下落したため割合は-0.15pt。下げを買いで支えた形です。逆に株数を動かしていない リクルート は株価の底堅さで3位の座を固めています。

 

9. まとめ — 「半導体装置の次はITインフラ」へ攻め続ける

今回の2083は、前回の「半導体製造装置への絞り込み」から間を置かず、富士通・日立というITサービス・社会インフラの中核へ大量買いを仕掛けました。

 

ポイントを整理すると、第一に 富士通(約6.7倍)・日立製作所(約6.6倍)への集中投下。6月11日に売りでキャッシュを1.85億円まで積み上げ、翌12日に一気に投じるという段取りの良さが光ります。第二に、ジャパンマテリアル・三浦工業の新規組み入れ。半導体テーマを装置から材料・工場インフラへ広げる動きです。第三に、下げた銘柄への押し目買い。前週売った村田製作所を株価急落局面で買い戻し、ソフトバンクグループ・MonotaROも下げたところを拾いました。一方で、急落したアンリツは翌日に全株売却と、見切りも素早い。

 

ファンドマネージャーの動きは「攻め」の一言です。装置、そしてITインフラ。AI・半導体を軸にした攻めの布陣がどこまで広がるのか、新規2銘柄が育てられていくのか、引き続き日次で追いかけていきます。

 

 

本記事はNEXT FUNDS 日本成長株アクティブETF(2083)の公開PCFデータに基づく分析であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました